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リノベーションまちづくり塾@豊島区 第1回

公開日: まちづくり, 空家活用, 賃貸住宅

yamashitapark

 

23区で唯一の消滅可能性都市 豊島区

12月5日(金)豊島区が主催する
「リノベーションまちづくり塾@豊島区」第1回に参加しました。

11月15日・16日の「まちのトレジャーハンティング」に参加したかったのですが、
あいにく都合がつかず、
16日のトレジャーハンティング報告会からの参加でした。
途中参加ではありましたが、
今、ホットなメンバーの方が集結する場として勢いを感じた次第。

で、引き続き興味がわき、
リノベーションまちづくり塾@豊島 第1回にも参加してみました。

以下、備忘録。

豊島区が、民間の力を借りて
空家や空店舗などの遊休不動産を改修・活性化することで
エリアの価値を高めようと、色々な活動をされている様子です。
その一貫の活動のひとつが、今回のリノベ塾。

まずは、アフタヌーンソサエティーの清水 義次さんから、
「リノベーションまちづくり」の意義について概要説明。

今あるものを活かして新しい使い方をして、まちを変える。
補助金に頼らない、民間主導の、民間遊休不動産を活用して
まちを再生する方法があることをご説明いただく。

次に、この日のメイン講師 ㈱ブルースタジオの大島 芳彦さんの講演。

住宅は、つくる時代から使いこなす時代へ、
家をつくることから暮らしを編集するステージへ。
社会問題となっている空家は、賃貸住宅の空室問題でもあり、
価値観の共有・共感をよぶ物件を物語として編集。
不動産を再生した施工事例6件のご紹介がありました。

その講演を聴講して感じたことは以下の通り。

 

戦後、日本の住宅は圧倒的に量が不足しており、
政府は、住宅建設5箇年計画を策定、
持家を持ってもらうための政策を開始ました。
公庫、公営、公団(住宅金融公庫、公営住宅、日本住宅公団)の3本柱と
地方住宅供給公社によって行われたのです。
住宅は内需産業ですから、
住宅建設が進むことで、多くの雇用を生みました。
右肩上がりの時代です。

そして、量から質への転換に入ったのです。

すでに住宅の量は充分すぎるほど足りているのに、
すでにある住宅を上手に利用することではなく、
新築を建て続け、特に賃貸住宅では供給過多となり、
現在の賃貸住宅の空室問題へと発展しています。

それなのに、
今年は、相続税対策で、新築賃貸物件が雨後の筍のように乱立し
来年の1月から3月にかけての賃貸市場は、
これまでにないような厳しさになるのではないかと懸念しています。

そんな時代背景の中、
今ある不動産の価値を見直し再生させることで、
それまでは価値を見出してもらえなかった物件に息吹を吹き込み
入居率をあげ収益物件として価値を高めるだけでなく、
オーナー・入居者・近隣が共通の価値観でつながり、皆が一緒になり、
そのまちの独自性ができる「しくみ」を創っていくことが重要だと思っています。

その第一歩は、オーナーの意識改革にあると思います。

昔は、賃貸住宅を建てるだけで「儲かった」から、
いわゆる「大家さん」として建物を所有しているだけでもよかった。

ところが、築年数が古くなり、近隣との競争も厳しくなっていく中で、
空室がでるようになったり、空室期間の長期化が発生してきたら
「大家さん」から「不動産賃貸経営者」になる必要性があるのに
「大家さん」のままの不動産オーナーが多いのではないかと思います。

私の経験でも、
賃貸物件の内部改修工事の内装仕上について
こちらに「お任せ」だった「大家」オーナーに、
積極的に工事に参加してもらうアプローチをとってみたことがありました。

すると、
みるみるうちに自分の意見を言うようになり、
(こちらからすればウルサイお客様になったのです(笑)
内装仕上についても自分のイメージする入居者にあったものをお選びになりました。

そして、長年つきあいのある不動産業者さんにも賃料交渉をし、
家賃アップにも成功しました。

「賃料は下げたくない。」「入居者の質も落としたくない。」といって
1年空室でも手を打たない「大家さん」は意識を変えるべき。

「知らない」「よく分からない」のでプロに全面的に任せたほうが安心、
自分が思っていることなんて価値がない、と思っているオーナーには
適切な情報提供と意思決定の機会をお渡しすればいいのだと思っています。

オーナーの意識が変われば、
自分がイメージする入居者のために自分で工夫して賃貸物件に手を加えます。
(掃除や植木鉢を配置するということだって、とても大切なことです。)

やはりそういうことは入居者に通じるもので、
先の例でも、内覧者1人目で即入居決定、
以後もずっと住み続けてもらっているようです。

あとは、入居者の「客付け」をするための「しくみ」が重要だと思います。

大島さんの手法でスバラシイなあと思うのは、「情報発信」が秀逸なこと。

バーチャルの世界では、賃貸物件がどのように施工されていくかをfacebookで情報提供したり、
物件の案内のためにHPを立ち上げ、物件の概要だけでなく、
この物件の歴史や背景、オーナーの思いや近隣情報などもストーリーとして語っています。
リアルの世界では、内覧会の案内をプレスに出していたり、
イベント(もちつき等)を開催し、近隣にも物件を開いていく。
このようなことで、物件の価値観を共有できる人をスクリーニングしならが
入居募集をしているわけです。

で、成功した物件を紹介するリアルの場を頻繁に持ったり、
各種の賞を受賞されたりして、
ご自分たちのやっていることを世の中に伝播されてブランド化をはかり
ブランディングができることで、
共通の思いを持つオーナーや入居者に選ばれていらっしゃるようにお見受けします。

ひとつの物件に手間暇をかけて、
それを元に次の情報発信ができるようになり
さらにそれを元に次へ、と
情報発信の「わらしべ長者」的展開のサイクルを回せれば
入居希望者のウェイングリストができ
入居募集の必要がなくなるのではないかと思います。
(言うは易し。。。)

賃貸経営の潮目が大きく変化しているなあと肌感覚で感じています。

賃貸経営に行き詰っている不動産オーナーさんでしたら、
第2回、第3回のリノベーション塾(無料!)に参加されてはいかがでしょうか。

人によっては、パラダイムシフトを感じると思いますよ。

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